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QZナビ:いざ、宇宙へ ~大空に8の字を描け!~

2010年9月11日20時17分~21時16分(日本標準時)。鹿児島県種子島宇宙センターより、ついに準天頂衛星 初号機 「みちびき」(以降:みちびき)が打ち上げられます。
みちびきの大きな特徴のひとつに、日本の真上に長時間滞在するための8の字の軌跡がありますが、打ち上げ直後から8の字の軌跡を描くわけではありません。
ロケットによってトランスファー軌道に乗せた「みちびき」を、さらに準天頂軌道に乗せ換えるには、みちびきのメインエンジンであるアポジエンジンによる噴射(AEF)を行い、さらにみちびきの12個のスラスターを使って軌道修正を行う必要があります。
みちびきが8の字の軌跡を描く準天頂軌道に乗るまでは、打上げから約2週間かかります。
この期間を「トランスファー軌道フェーズ」(AEF終了まで)、「ドリフト軌道フェーズ」(準天頂軌道投入まで)と呼んでいます。
ロケット打ち上げの瞬間に注目が集まりがちですが、衛星が所定の運用軌道に投入されるまでは関係者は気を抜けません。またこれらの軌道・軌跡の移り変わりは幾何学的・物理学的にも面白いものがあります。
今回のQZナビではみちびきが打ち上げられた後の「トランスファー軌道フェーズ」「ドリフト軌道フェーズ」を深く掘り下げてみたいと思います。

打ち上げ~第1回アポジエンジン噴射前

みちびきを乗せたH-ⅡAロケットは鹿児島県種子島宇宙センターから打ち上げられ、約30分後には太平洋上の高度275kmでみちびきを分離します。

この時点の地上軌跡はまだまだ8の字には見えませんが、ここからみちびきに搭載されている、アポジエンジンやスラスターという推進装置を使用して徐々に8の字を整え、日本上空に滞在させることになります。

ロケットによる投入軌道
近地点高度:約250km
遠地点高度:約36140km
軌道傾斜角:約31.9度

第1回アポジエンジン噴射後~第2回アポジエンジン噴射前

第1回目のアポジエンジン噴射(以降AEF:Apogee Engine Firing)が行われた後の軌跡です。AEFに前に比べ、南北に大きく移動するようになっています。

このAEFによって楕円軌道から円軌道に近づくように近地点高度を上げています。

しかし、まだ8の字には程遠いです。

第2回アポジエンジン噴射後~第3回アポジエンジン噴射前

第2回目のAEFが行われました。いかがでしょう?8の字にみえてきたのではないでしょうか。

今回のAEFによってみちびきの高度はかなり目的の高度に近づき、周期も地球の自転周期(23時間56分)に近づいてきました。

これによりみちびきは日本~オーストラリアの上空に滞在するようになりました。

第3回アポジエンジン噴射後~第4回アポジエンジン噴射前

やっと8の字になりました!

しかし、よく見てください。この8の字は、南北対称の8の字になっています。みちびきは日本の真上に長く滞在するため、南北が非対称な8の字の軌跡を採用しているため、もう少しトランスファーは続きます。

第4回アポジエンジン噴射後~第5回アポジエンジン噴射前

ちょっと軌跡が乱れてしまったように見えますが、大丈夫。

念願の非対称8の字が見えてきました。

第5回アポジエンジン噴射後

ついに理想とする南北非対称な8の字の軌跡になりました。

これで「トランスファー軌道フェーズ」は終了となり、基本的にアポジエンジンの役目はここでおしまいです。

しかしまだ軌跡の中心が西にずれていますので、ここからの「ドリフト軌道フェーズ」でスラスターを使って微調整することで、日本の上空に合わせていきます。

ドリフト軌道フェーズ後(準天頂軌道)

ドリフト軌道フェーズでは、小さなスラスターを使って、みちびきの高度と周期を所定の準天頂軌道に合わせていきます。

ロケット打上げ後約2週間をかけて、みちびきは準天頂軌道に乗ることができます。

そして準天頂軌道に乗ってから、いよいよみちびきの機能・性能の確認が始まるのです。

準天頂軌道(初期軌道)
近地点高度:約33000km
遠地点高度:約39000km
軌道傾斜角:約41度
周期:23時間56分

もっとトランスファーを知ろう!

いかがでしたでしょうか。
みちびきに限らず、衛星たちは打ち上げ後にも壮大で緻密なドラマを繰り広げながらそれぞれのミッションに挑んでいます。

文章と静止画だけではなかなかイメージするのは難しいと思いますので、PLAYでは、トランスファーの様子を3D映像で再現する予定です。そちらもあわせてご覧下さい。

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